大阪城公園の南西角近くに「教育塔」というモニュメントがあります。
その前はこじんまりとした広場になっており天気のいい日なんかには若いお母さんたちが子供を遊ばせているのを目にします。
ここにはたくさんの銀杏の木とモミジが植わっていて、この季節、この広場は見事な黄色と赤に染まります。大きなカメラを首からぶら下げた人もひっきりなしにやってきてしきりに写真を収めています。たくさん銀杏が落ちてちょっと臭いところでもありますが。
この絵の中の二人も夢中になってシャッターを押していますね。
この「教育塔」これだけ大きな物体ですが案外知られていないんです。
僕が生まれた翌年、昭和34年に関西を襲った室戸台風で亡くなった600人を超す生徒や25人の教職員を追悼するために建てられたのだそうです。僕が4年生まで通った京都の小学校でも校舎が倒壊したくさんの子供たちや先生が犠牲になっていて、毎年その日になると奇跡的に助かった元生徒(たいがいその小学校の父兄になっておられた)がその時の様子を話してくださいました。
この塔の前に立つと、自然の猛威の前では人間がいかに無力なものか、改めて思い知らされます。
※用紙にハーネミューレ トルションを使いましたがこれは癖がある紙で直線がうまく引けません。それに表面がやや弱くマスキングに向かないと思いました。この絵も上下にマスキングテープを使いましたがうまく剥がれませんでした。要注意です。